門を入り、野草園の入り口にヤブカンゾウがたくさん咲いています。ノカンゾウは花弁6枚の一重咲きですが、ヤブカンゾウは道端や人里近くでよく見かける濃いオレンジ色で少し太めの八重咲きです。
和名藪(やぶ)萱草(かんぞう)は、漢名の「萱草」を音読みにして、自生地が藪のような場所であることが命名の由来です。オレンジ色のラッパ形の花が咲き、草丈は80㌢程で、よく見ると花びらは、中央に黄色の筋が入り直径7㌢内外の大きさです。一日花で、朝に開花し、昼間だけ開き、午後にはしぼみ始め、夕方にはしぼんでしまう性質を持っています。一本の太い花の茎に数個ほどの花をつけ、下から順に上向きに咲き出します。別名ワスレグサとも言われます。落葉多年草で、冬になると地上部は枯れてしまいますが、根は生きています。
ヤブカンゾウは萱(かん)草根(ぞうこん)と呼ばれ、消炎、利尿、止血薬等の効能が期待できる生薬です。新芽から蕾、花まで、さまざまな部位を食用にできる山菜です。新芽をお浸しや炒め物、天ぷらにしたことがあります。新芽はお湯に塩を入れさっと茹でて、炒め物や天ぷらも美味しくいただきました。
オレンジが緑に映える藪萱草