遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2024.01.01

ガマズミ(スイカズラ科) 第283章 2024年1月号

野草園のシュンランの小道の入り口に、高さ3メートルほどのガマズミの木があります。いつ頃植えたのか分かりませんが、1年間じっくり観察しようと思っていたガマズミです。日本固有の品種でもあります。

和名がまずみは、その木の硬い材質を「鎌(かま)の柄(え)」に使い、果実を染め物に用いたことが命名の由来のようです。別名「ヨソゾメ」とも言われます。生活に密着している樹木だけに名前の由来や別名が多いようです。落葉低木で、枝はしなやかで折れにくく、材質は硬く、鎌や鍬(くわ)などの他に杖などにも利用されます。5~6月頃には、白い小さな花を密生させ、秋には、小さな赤い実をつけ、その実は天然の着色料でもあります。実が熟して次第に濃い色になり、酸味が強くなります。葉は対生しはっきりした葉脈があり、両面に毛が生え触れるとザラザラしています。

暮れに、暗紅色になった実を食べると、甘酸っぱくフルーティーな味でした。数年前、近所のお爺さんが、「焼酎でヨソゾメの果実酒を作ったよ」と嬉しそうに話してくれました。私も今年こそは、友達とガマズミの果実酒を作りほろ酔い加減になってみたいです。

がまずみの実に夕日映え真っ赤っか

ガマズミ

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