遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.19

ノコギリソウ(キク科) 第122章 2010年8月号

梅雨の晴れ間に、玄関の階段下にノコギリソウを見つけました。アップルミントやアラゲハンゴンソウに混じって、白く一輪だけ咲いていました。その周りを刈ると、十センチ程のノコギリソウが顔を出してきました。
和名鋸草は、葉が鋸の歯に似ていることが由来です。互生する葉はぎざぎざで深く切れ込み、草丈八十センチ程の多年草です。昔はどこの家にもありましたが、最近見かけなくなりました。白い小さな花の集合を羽衣に見立て、ハゴロモソウとも言われます。日本に古くから自生している花は、多少ピンクがかることはあっても白花で、葉は厚く硬くぴんとして、茎もしっかりしています。西洋ノコギリソウの葉は柔らかく、花も紅、濃紅、黄と鮮やかで野生化したものも多いです。昔から切花として利用されています。
去年の十月、成田市生涯大学院同窓会で長野県の美ヶ原高原美術館に行って来ました。高原の秋は早く、草花は枯れていましたが、ノコギリソウの頭花や枯れ草の跡が随所に見られました。友だちと花のパンフレットを頼りに、夏の高原を彩ったであろうノコギリソウを想像しながら、高原の秋を満喫しました。

仏前に昔なつかし鋸草

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