遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.19

シバザクラ(ハナシノブ科) 第128章 2011年2月号

「わあ。咲いてる咲いてるシバザクラだ」作業場の前庭の一角にピンクと白の芝桜が咲いていました。大寒の一番寒いこの時季に、やっと見つけました。日当たりの良い場所を好むので、そこだけが明るく小さな春がきたようです。
和名芝桜は、シバのように地面を這い、サクラの花に似た花が咲くのが由来です。別名ハナシバやハナツメクサとも呼ばれます。花はピンク、白、紅、紫、絞りなど色とりどりです。寒さや乾燥に強く、お正月の香取神宮の参道では白花が咲き初めていて、参拝客へのおもてなしのようでした。花は可憐な五弁花のハート型で、花壇や斜面の土留め、石垣、鉢植えなどに利用されています。北アメリカ原産で草丈は低く十センチほど、茎は地を這って伸びる常緑の多年草です。 二年前の四月、埼玉県秩父市羊山公園の芝桜の丘を見てきました。花は丘全体を覆うように一面に咲き、絨毯のようです。友人と手作り弁当を食べながら、大パノラマ写真を見ているような錯覚をおこしました。色の配置も芸術的で美しく、今でもはっきりその情景を思い出させてくれます。

咲き初めし冬枯れの野に芝桜

128.シバザクラ

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