遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.20

ギョウジャニンニク(ユリ科) 229章 2019年7月号

「ああ、良かった。今年も咲いてくれたね」初夏になると、ギョウジャニンニク真っ白い花に出会えます。繁殖力が弱く、年々、少なくなっています。
和名行者大蒜は、昔、山で修行する行者がこれを食べて厳しい行に打ち勝つ力を得ることが命名の由来です。中心から花茎を伸ばし、白い花を球状に咲かせます。この植物は強いニンニク臭があります。緑色の幅広い葉が、根元から茎を包むように、2、3枚伸び、地中にはラッキョウに似た鱗茎をつけます。北海道には特に多く自生し、アイヌの人々が常食し、蕾や葉を乾かして保存食にもしていたということから、『アイヌネギ』とも呼ばれています。ユリ科のネギ属で、ニンニク、ネギ、タマネギ、ラッキョウ、ノビル等と同じ仲間で、鱗茎は食用になります。
ギョウジャニンニクは、名前からして体に良い山菜で、効能は、滋養強壮、発汗、疲労回復等です。芽生えの頃は、イヌサフランやスズラン等の有毒植物と似ていて間違えられやすいです。ギョウジャニンニクには、草全体に強いニンニク臭があるので、葉を傷つけ匂いを嗅ぐと区別できます。


新緑に行者大蒜白く映え

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