遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.19

カライトソウ(バラ科) 第147章 2012年9月号

夏の暑さに耐え、玄関前でカライトソウが咲いています。ワレモコウに似た葉ですが、花穂は紅紫色の柔らかいモールのようで、エノコログサのような風情もあります。
和名唐糸草は、花穂が美しく、中国「唐」から渡来した絹糸に見立てたことが由来です。しかし、中国原産ではなく、日本特産種です。北陸地方の高山に自生するワレモコウの仲間です。ワレモコウは茶色の地味な花、本種は紅紫色で先から順に開花し、重くなり垂れ下がります。花穂は7センチほどで、花には花弁がなく、雄しべ中心の小さな花が穂状に集まっています。花だけでなく葉も春の芽出しの頃から長期間に渡って楽しめ、黄ばみ始めた秋に掘り上げて根茎を割って殖やします。地下に太い根茎があり、茎は直立し草丈1メートルほどで庭でも育つ丈夫な多年草です。
「わぁ可愛い。これカライトソウでしょう。」図鑑では知っていたのですが、自然状態のものは堀之内の友達の庭で初めて見ました。初めは半日陰で育てましたが、葉が白っぽくなり、茎も倒れやすかったので、日なたに移植しました。あれから4年、少しずつ殖えています。友達に改めて感謝しています。

立秋に砂礫に強し唐糸草

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