遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.19

ヒトリシズカ(センリョウ科) 第120章 2010年6月

「今年もやっぱり咲いていたんだね。もう少しで切ってしまうところだったよ」
伸び放題の草むらを、この辺りかと鎌を入れヒトリシズカの白い花穂を見つけました。フタリシズカやドクダミに隠れても、単独で咲くのではなく株立ちするので分かります。
和名一人静は、花穂が一本で物静かな草姿を、静御前の舞い姿に見立てています。別名ヨシノシズカやマユハキソウとも呼ばれ、出たばかりの新芽は目立たないので見つけにくいです。草丈十五センチほどで、四枚の葉が輪生状に対生し、真ん中から一本の茎が出て白い穂状の花をつける多年草です。白い糸状の部分は、雄しべの集まりで萼や花びらではありません。目立つ花ではありませんが、薄暗い木陰で見ると、凛とした姿に心が洗われるようです。似た名前のフタリシズカの花は、花穂が二本あることだが数本出るものもあり、草丈は三十センチほどで少し遅れて咲きます。
二十年程前に長男が買った「野山の花」という本に、ヒトリシズカの押し花を見つけました。いつか孫もこの本を開く時が来るかもしれないと思いながら、私も押し花にしました。

ひっそりと一人静の舞を見る

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